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受け口を治す手術とは?『下顎骨分節骨切り』について解説!

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受け口を治したい!どんな手術が必要なの…?

下顎が上顎よりも前に出ているのが受け口ですが、見た目的にもコンプレックスに感じてしまうため手術を決断する人も多いです。
歯並びや骨格など、受け口の原因を見極めたうえでどんな手術が必要になるのか、知識を付けておきましょう。

そもそも、受け口とは?

受け口というのは、正式には反対咬合や下顎前突と呼ばれる症状のことで、かみ合わせが上下でずれてしまっている状態を指します。

本来であれば、上顎が前に出て上の前歯が下の前歯の前に自然と出ている状態が理想的です。
受け口になると、反対に上の前歯が下の前歯の後ろ側に収まってしまいます

これだけ聞くとしゃくれているのと同じように思えますが、しゃくれというのは輪郭の見た目そのものを指す言葉なので厳密に言うと異なります。

受け口を治す手術、『下顎骨分節骨切り』とは?

受け口を綺麗に治す場合、主に下顎骨分節骨切りという手術が行われます。

左右にある一番奥の歯を抜歯して根元の顎の骨を切断し、下の歯を全体的に後退させる
というもので、自然な仕上がりにするため他の手術と併用することが多いです。

併用して行われることの多い治療

受け口を治すための手術は、単体では不自然な仕上がりになってしまうので他の治療法を同時に行うのが一般的です。
主に行われるのはあご削り歯列矯正で、同時に行うと違和感なく自然なフェイスラインにすることができます。

受け口を治す手術の費用

手術はクリニックなどによって異なりますが、平均的には100万円から150万円ほどの費用設定にしているクリニックが多いです。
これに同時に行われる他の治療費がかかってくるので、トータルではさらに高額になります。

手術のダウンタイム

歯を抜いたり骨を切断したりする大がかりな治療内容になるため、術後のダウンタイムも約2週間とかなり長引きます
腫れや痛みもかなり強く出るので、この期間はできるだけ外出を控えて安静に過ごすようにしましょう。

手術のメリット

受け口の修正手術はダウンタイムが長かったり、費用が少し高めの施術ということが分かりました。
しかしあえて手術で修正することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

(1)見た目のコンプレックス解消

メリットとしては、何よりも見た目を改善できるという点が一番です。
受け口はかなり特徴的で、他人が見てもすぐに分かってしまうコンプレックス的要素が非常に強い症状です。
それを解消できるのは大きな魅力でしょう。

(2)発音の改善

受け口になっている場合、口腔内のスペースが十分に存在せず舌を正確に動かせないため、患者は滑舌や発音が悪くなってしまいがちです。
しかし手術を受けることで口腔内のスペースも広がり、発音を改善することもできます。

(3)食事の際の消化不良の改善

下顎が前に突き出していると、上下の歯のかみ合わせが悪くなります。
食べ物を十分に噛み砕けないので消化器官に負担をかけてしまうのですが、治療することでこの問題が解消され、消化不良も改善することができます。

手術で治すデメリット

メリットが非常に大きい施術である反面、人によっては悩ましいデメリットもある施術となっています。悪い面もしっかりと理解したうえで、施術を受けるようにしましょう。

(1)矯正と比較して費用が掛かる

この治療によるデメリットは、やはり非常に高額な治療費が掛かるという点です。
メスを入れずに行う矯正などと比べると、倍以上の費用が掛かってしまいます。

安くても100万円は必要
になるので、資金的な準備が大変です。

(2)ダウンタイムには食事が出来ない

術後には腫れと痛みが非常に強く出てしまうので、約2週間のダウンタイムの間は満足に食事を摂ることもできません
切断されたばかりの骨に負担をかけられないので、普段通りの食事は出来ずゼリーなどしか食べられません。

(3)失敗や感染症のリスクが高い

専門の知識と技術を持った医師が施術するとは言え、あくまでも人の手なので失敗してしまうこともあります。
一度切断した骨や歯は元に戻らないので、失敗しても簡単に修正はできません。

また、傷口から感染症にかかって皮膚トラブルを招いてしまうリスクもあります。

矯正と手術の違い

受け口を修正するためには、矯正のみで治療する場合と下顎骨分節骨切りの手術を行う方法があります。
この2つの方法は主にどういった違いがあるのでしょうか?代表的な3つの観点から比較します。

(1)骨格まで改善できるか

噛み合わせを正しくするには他にも歯列矯正などの方法もありますが、矯正治療はあくまでも下顎の位置を動かすサポートをするというだけの施術となってしまいます。

下顎骨分節骨切りであれば、骨格から根本的に改善することが出来ます。

(2)治療の期間

矯正の場合、少しずつ骨や歯の位置を変えて正常な状態に近づけることを目指すため、場合によっては治療が終わるまでに何年間もかかってしまいます

一方で下顎骨分節骨切の場合は、ダウンタイムさえ終わればすぐに効果を得ることができます

(3)費用

矯正で上下の噛み合わせを良くしていく場合、受ける治療や症状によって異なりますが、だいたい30万円から100万円ほどの費用が必要になります。

下顎骨分節骨切の場合、上述したように最低でも約100万円、高いと150万円と高額になります。

重度の人は矯正だけでは改善できない

費用のことを考えると矯正でチャレンジしようと考える人も多いですが、下顎の突出具合が重度の人の場合、矯正だけで完全に噛み合わせを治療するのは難しいでしょう。
重度の人は単純に位置が前に出ているというだけでなく、骨格そのものが歪んでいる可能性も高いのです。

矯正で治療できるのはある程度症状が軽い人に限られるので、医師とよくカウンセリングを行ったうえで、より確実で効果の高い下顎骨分節骨切を選んだ方が良いでしょう。

受け口修正の手術を受けるのに向いている人

ここまで受け口を修正する下顎骨分節骨切りについて紹介してきました。
最後に受け口の修正手術を受けるのに向いている人の特徴について紹介します。
当てはまっている方は、矯正よりも手術で治した方が見た目も効率も良いかもしれません。

(1)重度の受け口の人

症状が重い人の場合、骨格から大きく歪んでしまっているケースが多いので、矯正ではほとんど効果が得られません。
このような場合は、骨格から直接治療できる下顎骨分節骨切を実行したほうが時間とお金の節約になります。

(2)一度の施術で治したい人

矯正は、骨を抜いて歯を移動させたりマウスピースを作ったり、ワイヤーを通したりといった様々な行程を順番に踏んでいきます。
治療期間も長引きがちなので、一度に短期間で治療を終えたいという人には手術の方がお勧めです。

(3)安静に過ごすダウンタイムの時間を取れる人

手術を行うと、最低でも2週間は下顎を中心に顔が腫れあがってしまいます。
痛みなどに耐えられればマスクをつけて仕事をすることも可能ですが、あまり現実的ではありません。
安静にした方が腫れが引くのも早いので、ダウンタイムを十分に取れる人に適しています。

まとめ

このように、下顎が突き出している状態の人でも下顎骨分節骨切術を行えば見違えるほどスッキリとした見た目に治療することもできます。
確かに費用やダウンタイムなどの問題はありますが、即効性や確実性を重視する場合は施術を検討してみると良いでしょう。