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顎変形症の治療法を手術名別に徹底解説|SSRO,IVROなど全6方法

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顎変形症とは

顎変形症とは、上顎や下顎の片方、もしくは両方の大きさや形に異常があることで引き起こされる症状です。

具体的には受け口や出っ歯、噛み合わせの不都合、上顎の形が崩れたり大きかったりして引き起こされる顔面の変形などが挙げられます。

顎変形症の手術①下顎枝矢状分割術 SSRO(Obwegeser- Dalpont)

●施術の内容・方法

では、顎変形症の治療で行われる手術名にはどういったものがあるのでしょうか?まず挙げられる手術名が下顎枝矢状分割術です。

この治療では下顎の骨を切ってその位置を前方、もしくは後方に移動します。

下顎の大きさが原因で顔面の見た目に支障がでているという人に向く手術名となってきます。噛み合わせを調整するために、上顎の治療と一緒に行うのが多い手術としても知られています。

●施術のメリット・効果

この下顎枝矢状分割術という手術を用いるメリット、それは1度の治療で劇的な変化を実感できるという点です。

骨を直接移動させることが出来るので、元々の骨格を大きく変化させることも可能です。見た目を改善することが出来るだけでなく、噛み合わせの改善にもつながるため、美容目的以外での治療にもおすすめです。

素人ではどうしようもできなかったような顎のトラブル、これも医療機関であれば安全に解消する事ができます。

●施術のデメリット・リスク

ただ、この下顎枝矢状分割術ではデメリットとなる点も存在しています。骨を移動させる大掛かりな手術が行われるため、その分体への負担が大きくなります。

その影響で手術を受けてから数週間程度は、患部に痛みや腫れ、麻痺などの症状があらわれやすくなっていきます。

特に、後遺症として麻痺が残った場合には時間が経過しても状態が改善しないというケースも出てくるため、とりわけ注意が必要です。

この失敗が起こるリスクは手術を行う医師の腕、経験値によっても変わってくるので、医師選びやクリニック選びの際には気を付けていきましょう。

顎変形症の手術②下顎骨垂直骨切り術  IVRO(Robinson法)

●施術の内容・方法

顎変形症の治療として用いられる方法には、下顎骨垂直切り術という方法が用いられることがあります。

この手術名を聞いてもピンとこない人も中にはいるでしょうが、この治療では下顎が極端に出っ張っている人におすすめの治療となってきます。

方法としては口の中を切開して、そこから下顎の骨の一部を垂直に切り、短縮していきます。直接骨を切り取って顎を奥に引っ込めていく事が出来るので、見た目に変化を実感しやすいのが特徴です。

●施術のメリット・効果

このした下顎骨垂直切り術を用いるメリット、それは、先に挙げた治療と同じように、1度の治療で劇的な変化を得られるという点が挙げられます。

骨を直接切っていくので、見た目の状態が再発する心配もありません。また、この治療は口の中から切開を行うため、傷跡が目立ってしまうというリスクもありません。

周りに手術を受けたのだとばれたくないという人であれば、こうした傷跡が目立ちにくい治療を選択するのがお勧めになってきます。

●施術のデメリット・リスク

ただ、この下顎骨垂直切り術を用いる場合には、それ相応のリスクというものも存在しています。骨を大きく切る作業となる為、その分体への負担が大きくなります。

また口の中から切開を行い狭い視野で施術を行うため、その分血管や神経を傷つけるリスクが高いです。

もちろん、手術が絶対に失敗するというわけではありませんが、リスクが高まればその分顔面麻痺など後遺症が残る可能性も高くなってしまいます。

顎変形症の手術③下顎枝水平骨切り術(コステカ法)

●施術の内容・方法

顎変形症の治療で用いられる手術名として、下顎枝水平骨切り術というものも挙げられます。この治療では名前の通り、下顎の一部を水平に切ってその長さを調節していきます。

骨のつなぎ目には専用の処置がなされるので、術後に骨がズレる心配はありません。下顎が極端に長い人におすすめの治療で、この治療でも見た目に効果を実感しやすいという点が特徴となってきます。

●施術のメリット・効果

下顎枝水平骨切り術のメリット、それは他の骨切り術と同じで1度の治療で劇的な変化を実感できるという点です。

極端に下顎が大きい人は他の治療と組み合わせてこの手術を進めていく事もあるので、治療の際には参考にしてみてください。

●施術のデメリット・リスク

この下顎枝水平骨切り術では、デメリットとなる点も存在しています。それは手術後にあらわれることになる後遺症の症状です。

人それぞれで症状の内容は異なってくるものの、手術によって顔の神経や筋肉を傷つけてしまえば、それが麻痺や痛み、表情の引き攣れなどの原因になっていきます。

大掛かりな手術であればあるほど、こうした後遺症のリスクは高まっていく事になるので、治療の際には十分に注意していくようにするといいでしょう。

顎変形症の術④下顎骨体一部切除術(Dingmann法)

●施術の内容・方法

顎変形症の治療で行われる手術として、下顎骨体一部切除術という手術名も挙げられていきます。この治療では、両側数本の歯を抜歯してその部位の下顎の骨を切除していきます。その後骨をつなぎ合わせて治療を進めていく事で、見た目に下顎を小さくしていくことができます。

下顎が前に出っ張っている人やその大きさがコンプレックスだという人にもおすすめの治療方法となってきます。

●施術のメリット・効果

下顎骨体一部切除術を用いる場合、一番のメリットとして挙げられるのが、1度の治療で即効性のある効果を実感できるという点です。他の治療と組み合わせることでさらに効果を実感しやすくなっていくので、治療の際には参考にしていくといいでしょう。

この治療では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善にも効果が期待できます。もちろん、手術を行う医師によってもその効果は変わってきますが、出来るだけ信頼できる医師、クリニックを選んでより満足のいく治療を受けていくようにしましょう。

●施術のデメリット・リスク

ただ、この下顎骨体一部切除術ではデメリットとなる点も存在しています。それはダウンタイムが比較的長くなってしまうという点です。手術から1週間から2週間ほどは患部の腫れや痛みが顕著にあらわれることになるので、この間は仕事やプライベートへの影響が懸念されます。

治療の際にはあらかじめスケジュールを調整するなどして、仕事や学校に影響がでないように対処しましょう。

顎変形症の手術⑤下顎前歯部歯槽骨骨切り術(Kole法)

●施術の内容・方法

顎変形症の治療では、下顎前歯部歯槽骨骨切り術という方法が用いられることもあります。この治療では両側の歯を数本抜糸していきますが、下顎骨体一部切除術とは違い、歯槽骨だけを切り取るのが特徴となってきます。

噛み合わせの改善にベストな治療ともいわれていますし、その結果として、見た目に口元の印象を良くしていく事が出来ます。骨格が原因で噛み合わせが悪くなっているという人はまず、こうした治療を検討してみるといいでしょう。

●施術のメリット・効果

この下顎前歯部歯槽骨骨切り術を用いる場合、先にも挙げたように骨格が原因で引き起こされている噛み合わせのトラブルを解消していく事が出来ます。

歯並びの改善には歯列矯正が行われますが、骨格が原因となっている場合にはこうした手術がおすすめになってきます。矯正治療のように長い期間をかけて治療を進める必要がありませんし、1度の手術で十分な効果が得られるという点では患者にとっても大きなメリットとなっていきます。

●施術のデメリット・リスク

ただ、この顎変形症の治療ではリスクとなる点も存在しています。他の治療と同じように、健康な皮膚や骨をあえて傷つけて作業を進めていくことになるので、その分体への負担が大きくなっていきます。

極端なケースであれば、傷口に雑菌が入り込み、感染症や炎症の悪化を引き起こす可能性もあります。もちろん、人によって症状に差はありますが、ダウンタイムが数週間ほど必要になってくるという点に関しては注意が必要です。場合によっては仕事や学校を休むなどして対処しましょう。

顎変形症の手術⑥上顎歯槽骨骨切り術(Wassmund法)

●施術の内容・方法

顎変形症の治療では上顎歯槽骨骨切り術が用いられることもあります。この治療では、上顎の両側数本の歯を抜歯して、その部位の骨を切り取っていきます。その後上顎を後ろにずらして固定することで顎の大きさを調整します。

上顎が大きい事で顔のバランスが崩れているという人におすすめの治療方法で、1回の治療で劇的な変化を実感する事ができます。自身の症状・状態に合わせて治療を選択していくようにすると良いでしょう。

●施術のメリット・効果

上顎の骨格が原因で出っ歯などの症状が引き起こされている場合、この治療で十分に症状を改善することが出来ます。

しかも、1度の治療で劇的な変化が得られるため、この点は患者にとっても大きなメリットとなっていきます。

歯列矯正の治療で出っ歯を改善する方法も中にはありますが、この治療だと治療期間がより長くなる傾向にあるため、急いで効果を実感していきたいという人には不向きとなります。そんな人にこそ、即効性の高いこの治療がおすすめになってくるというわけです。

●施術のデメリット・リスク

ただ、この上顎歯槽骨骨切り術にはデメリットとなる点も存在しています。上顎という部位の手術となるので、手術後しばらくは食事がしにくくなったり、話しにくくなるなど、生活の中でも支障がでてしまう事があります。

もちろん、症状が延々と続くというわけではありませんが、少なくともダウンタイムの期間中は患部の痛みや腫れ、違和感に注意が必要になってきます。周りの目が気になるという人であれば、必要に応じて仕事や学校を休んで対処していきましょう。

さいごに

ここまで様々な顎変形症の手術名について解説してきました。

人それぞれの骨格によって、一番合う治療法が変わってきます。いくつかのクリニックでのカウンセリングを通して、ご自身に合った治療法の選択を行ってくださいね。

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