両顎手術後の食事について
両顎手術とは、顎変形症といって上顎と下顎の噛み合わせが悪い、大きさや一のバランスが悪い場合に行われます。両顎手術後の食事は、流動食から始めて、経過を見ながら徐々に食べられるものを増やしていきます。ストレスのかかる施術なので、事前に医師とよく相談することが必要です。
両顎手術後は基本的に顎を動かしてはいけない
両顎手術は、ずれている顎の骨のバランスを正す手術です。そのため、骨を動かす外科手術を行った後はしばらくの間口を開けたりなど上下の顎を動かすことができません。アフターケアとしておこなわれるのが、顎間固定とよばれる処置で、上下のあごをワイヤーやで固定し、そのあとゴムバンドで補強します。このゴムバンドの管理は患者本人が行います。この時期口をうごかすきことができないため、両顎手術後の食事のとり方には充分注意する必要があるのです。
両顎手術後の経過に合わせて食べられるもの
施術直後〜1週間:流動食のみ
両顎手術後の食事は、おおむね術後の1週間を目安に流動食が用いられます。食べ方として、口の隙間から喉に向けて直接流し込むようい接種します。口を開けることができず、食事が取りづらい場合は、鼻にチューブを指すことで胃に栄養を流し込むようにします。この鼻からの流動食は人によっては大変な負担になります。鼻にチューブを指している事の苦痛と、固形物を取れないストレスと戦わなくてはいけません。これが1週間続きますから、両顎手術後の食事が普通食になるのを待ち望んでいる患者さんも多いのです。
術後1~2週間:柔らかく噛まなくてもいいもの
施術後一定期間は、骨を固定するためのプレートやワイヤーを取ることができません。そのため、口を開けられるようになっても、顎に負担を掛けるものはくちにすることができません。両顎手術後の食事として適しているのは先ずは流動食、1~2週間の間はプリンや豆腐のようにさほど噛まなくても食べられる柔らかいものが適しています。また、1日の活動に必要なカロリーを取ることを目指して、野菜や肉などを柔らかく煮てミキサーにかけたミキサー食なども提唱されています。
術後2週間〜3カ月程度:柔らかく口を大きく開けずに食べられるもの
顎変形症の手術から1ヶ月を経過するころから、徐々に形のあるものも食べられるようになって来ます。退院してからまず習慣づけるものは、お粥です。柔らかい10倍粥から始めて、3ヶ月くらいまでは顎に負担を掛けないように注意しましょう。ミキサー食も引き続き作りつづけます。他には具を小さく刻んで入れた茶碗蒸しなどが向いています。味がよく普通の食事に近づいてくるので、長い食事制限でストレスのたまった患者さんの心を癒してくれます。
両顎手術後から3カ月間は食べ無いほうが良いもの
①硬いもの
両顎手術後の食事の基本は、柔らかく顎に負担を掛けないものが絶対です。顎の骨を酷使するようなものを無理に食べると、固定されていた骨が再びずれかねません。するめやジャーキーの様に硬いものは絶対に避けましょう。
②口を大きく開けなければいけないもの
固いものと同様に、両顎手術後の食事に口を大きく開けなければいけない大きな塊の物を取り入れるのは避けましょう。口を開ける動作も顎の骨に強い負荷を与えます。同じく骨がずれる危険性を伴います。食材は細かく刻んで料理するのがベストです。
③辛いもの
両顎手術後の食事に取り入れるべきでない物として、辛いもの、塩気の強い物も挙げられます。辛いものや塩気の強いものは血行を刺激して患部の腫れを誘発してしまいます。外科手術の後ですから、術後の傷が腫れるのはよくありません。香辛料などを使った料理は避けましょう。
④噛みちぎる際に力が必要となるもの
両顎手術から3ヶ月間は、通常の食事が出来ないものだと覚悟しておきましょう。特に焼肉やステーキなど噛みちぎるのに顎の力を必要とするものは要注意です。間じゃ本人にも苦痛になりますし、顎に力が入るのは両顎の骨を再びアンバランスにする要因になってしまいます。
⑤アルコール
辛い物や塩気のあるものと同様に、両顎手術後の食事の際にアルコールを取ることは避けましょう。アルコールも血行を良くしますので、やはり患部の腫れを助長してしまいます。傷口が腫れるのは大変な不快感を伴うので、お酒が好きな方は頑張って断酒しましょう。
両顎手術後の食事には気をつけて過ごしましょう
両顎手術後の食事には様々な制限が伴います。しかもそれが長期間続きます。約3ヶ月は柔らかい物を中心にして、普通食を避ける必要があるのです。食べごたえのあるもの、辛味のあるものを避けなくてはならないのでストレスに感じる患者さんが大勢います。両顎手術に踏み切る場合は、食事のリスクをよく考えておきましょう。