顎変形症の手術後の食事で気をつけること
顎関節症の手術を行なった後は、あごに負担をかけない食事に心がける必要があります。術後の経過によって段階的に変えて行く必要があります。それぞれの時期に応じた食事の取り方について具体的に説明していきます。
術後〜約1ヶ月までの食事:流動食
顎変形症の術後に患部に負担がかかると、骨のゆがみや骨を留めているプレートなどの変形を引き起こす恐れがあります。そのため、基本的にあごに力のかからない流動食、つまり噛まなくていい食事が好ましいです。
例えばお米の形がわからない程度に柔らかくしたお粥や具をあらかじめみじん切り程度まで細かく刻んだ茶碗蒸し、プリンやゼリーなどはそのまま食べることができます。その他には絹ごしの豆腐を小さく切ったものや牛乳などに浸して形のない程度小さくしたパンも大丈夫です。また、具のないスープも問題ありません。
それ以外の食べ物はミキサーにかけて液状にしてから摂取しましょう。この時期は準備の煩わしさから偏食になりやすいので、栄養バランスに注意が必要です。
術後1ヶ月目からの食事:固形である程度柔らかいもの
顎変形症の手術から術後1ヶ月も経つと形のあるものが食べられるようになります、ただし、箸で簡単に切り分けられる程度の柔らかさまでです。
例えば、具の細かい雑炊やカレー、ご飯は柔らかく炊いたものであれば負担は少なくて済みます。その他には何かに浸したパンも食べることができます。例えばフレンチトーストなどは耳の部分がなければ無理なく食べられるはずです。うどんも少し柔らかめに茹でたものにします。おかずではマーボー豆腐やスクランブルエッグなどがあります。
流動食に飽きて少しでも噛めるものが食べられるようになりますが、無理をすると負担がかかることには変わりありません。疲れるようならミキサーで柔らかくして食べましょう。
術後2ヶ月目からの食事:果物くらいの硬さのもの
顎変形症の手術から術後2ヶ月を経過すると、食べられるものが増えてきます。果物や水分の多い野菜などが食べられます。そのため野菜炒めや漬物、具のあるお味噌汁は大丈夫です。焼き魚や煮物など細かくできるものは問題なく食べることができます。シチューやカレーも肉のブロックさえなければ普段どおりのものを食べても構いません。
だいぶ市販のものが食べられるようになるため、冷凍のグラタンやドリア、インスタントラーメン、おそばやうどん、チャーハンなども少しずつ試していきましょう。柔らかいパンであれば問題なく食べることができます。ある程度前歯で噛み切れるようになるので噛んで細かくすると言うことができます。無理せずに少しずつ食べ始めましょう。
顎変形症の術後の食事での注意点
無理に硬いものを食べない
顎変形症の手術は、あごなどの骨をプレートなどにより変形させるものです。人が咀嚼する時に土台となる部分がしっかりと固まるまでは不安定で、力をかければ変形や痛みを伴うことになります。いろいろな食事を楽しみたいとは思いますが、硬いものを食べるのは大きな負担になります。
大きさではなく硬さに注意して、食材を選択したり調理方法を決める必要があります。術後に無理をするとせっかく治療した顎変形症を再発するおそれもあります。
栄養バランスに気をつける
顎変形症の術後は、食事制限が厳しくつきまといます。液状にしたり細かくする必要があったりと準備に手間がかかります。そのため、楽な食材に偏りがちになる恐れがあります。
また、しっかりとした栄養が摂取できなければ顎変形症以外の病気に罹患することも考えられます。面倒にならずにバランスの良い食事が摂取できるように注意しましょう。どうしても面倒な場合は野菜ジュースや飲むヨーグルトなどを利用すると手間なく栄養を摂取することが可能です。
顎変形症の手術後は食事の摂り方が重要!
顎変形症は手術後の食事が大きなハードルとなります。バランスの良い食事がその後の健康に大きく影響してきます。なので、医師と相談して健康的な生活を維持できるように何を食べたかをしっかり記録しておきましょう。