顎変形症の手術にはどんなリスクがある?
歯並びが悪く矯正を考えて受診すると原因が顎変形症で手術を進められる場合があり、出っ歯や受け口などの悩みがあり話しにくい噛み合わせが悪いといったことが気になっていた人は改善できる期待が持てますが、手術リスクについてよく理解しないと術後にパニックを起こす可能性がありますからこれから説明を行っていきます。
顎変形症の手術で起こりうるリスク
①会話や食事がしにくくなる
下顎の骨を切り位置を調節することが多いですが人によっては上顎の骨を切って調節が必要な場合がありアプローチは口内から行い、術後は顔の形が変わるのと同時に手術による腫れ麻酔の影響と顎をサポーターでしばらく固定しなければならないため顎変形症の手術リスクとして術後の一定期間は会話や食事がしにくくなります。
手術の後72時間程度経過するとひどい腫れも治まってきて8日目ぐらいに抜糸し退院するころにはいくらか軽減しますが、硬いものが食べられない状態が続き問題を感じなくなるまでには3か月程度は必要になるでしょう。
②麻痺・知覚異常
顔の表面に傷を作らないように行われる手術であるため顎変形症の手術を希望する人も多いですが全身麻酔で行われる手術ですし、骨の周りは神経や血管が複雑にあって骨を切るために部分的に剥離を行って骨を移動するときに傷付けてしまう恐れがある手術です。
麻酔が切れるまで口元が麻痺してよだれが出ることやうまく唾を飲みこめないなど感覚がなくなるということがありますが、神経や血管を顎変形症の手術時にひどく損傷してしまっていると日数が経過しても麻痺や知覚異常が残ってしまう手術リスクが起こりえます。
③全身麻酔
手術中に痛みを感じさせなくする全身麻酔は患者にとっていいように捉えられがちですが体質的に麻酔の成分が合わない人がいますし、脳が酸素不足になって合併症がおきる可能性があります。
手術の失敗では無く全身麻酔の影響で重篤な症状になり命を落とす人もいて、副作用として多いのが目覚めた後に吐き気がしばらく治まらなくなることが多いので、顎変形症の手術リスクの説明を受ける際には全身麻酔についてもしっかりと聞いておくことが大切です。
④大量出血する可能性
口内を切開して骨から筋肉などの剥離を行う際や骨切りして位置をずらして固定を行うときに血管を傷付けてしまうと予想しない出血が起こる場合があって、骨の切れ方が悪くなってしまうことや軟組織が影響を受ける、普通は血管がない場所に存在しているなど実際に手術するまでは予期できない状態により大量出血する手術リスクがあります。
顎変形症の手術で大量出血があった場合は家族の了承を得て輸血を行う、手術を中止して後から再手術を行うなどの対応が行われます。
⑤傷口から感染する可能性
手術中に出血が多い場合や手術後は鼻が血で詰まって口呼吸のみになってしまう場合があって、口呼吸になると口内が乾燥し雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうことがあって、口内から切開して手術を行うため傷口から感染する可能性が考えられるため術後対応に注意が必要です。
口内炎ができることもありますが、症状がひどいと腫れて膿を持つことや痛みが続いて治りが遅くなる可能性があるため症状に合わせて消毒や抗生物質の服用などを行います。
⑥失敗する可能性がある
骨の周りにある神経や血管の状態やもともとの顎のサイズによって移動できる範囲は限られてきて顎変形症の手術を行っても十分な変化が感じられない場合があり、チタンプレートによる固定の仕方や手術後のリハビリに矯正もしっかりと行わなければ満足いく仕上がりにならない可能性が考えられる手術です。
骨切りは高度なテクニックが必要であるため医師であっても失敗する可能性があり、解剖学などにも精通している必要があって失敗した時には再手術で調整が必要位になる可能性があります。
顎変形症の手術で起こりうるリスクを回避するための方法
①施術についてリスクを十分に理解する
難しい手術であるためなれている医師が行っても骨の状態によっては骨切りを失敗する可能性がありますし、切開していたら一般的な神経や血管の位置が違っていて難症例になる可能性もありますから顎変形症の手術リスクを回避するためには前もって考えられる施術リスクについてよく説明を聞き理解しておきましょう。
手術後に輪郭が変わるのはもちろんですが、鼻の形が変わることについても知っておく必要があります。
②信頼できるドクターを探す
何度も顎変形症の手術に携わった医師であればそれだけ知識や技術に優れていますし、問題が発生した場合の対応にもなれていますから実績がある医師を見つけましょう。
そして、安心して手術を受けるためにも手術リスクについてきちんと分かりやすい言葉で説明してくれる信頼できるドクターを探すことがリスク回避につながります。
比較的手軽に受けられる方法もありますが、高い効果を見込むには大掛かりな手術が必要になってきます。ただし、失敗をしてしまえば見た目の問題だけでなく、機能にまで支障をきたしてしまうことも。 そうならないためにはこの分野で名医を言われる医師を探さなければなりません。
顎変形症の手術は効果だけでなく失敗やリスクを確認することも大切!
歯並びや顎の形などの改善を目指すことができる顎変形症の手術は骨切りや全身麻酔などがあって手術リスクが高い術式ですから、失敗して後悔しないためにも医師選びを慎重に行い手術の内容や問題点についてしっかりと理解しておきましょう。